女性乳房文化の研究

胸、バスト、お乳、おっぱい。場合によって、あるいは人によってさまざまな呼び方で親しまれている乳房。女性のからだのなかで、明確なアイデンティティを語るところといえば、誰もがその筆頭に乳房をあげるでしょう。不思議のかたまりとも思える乳房のふくらみは、もちろん女性美をはかるモノサシだけではありません。たとえば、乳汁は赤ちゃんの大切な栄養源。おっぱいは生命のはじまり。その分泌準備のため、思春期以降、乳腺が発達し乳房がふくらんできます。こうした変化への胸の小さなときめき。女性が女性として生きるとき、このときめきは人生のあらゆる場面に色濃く関わっています。それは、ときとして精神科領域や心理学につながる場合もあります。

「乳房文化研究会」は、1991年に活動を始めた「からだ文化研究会」と、同会の中で、「乳房」にテーマを絞って1993年に発足した「乳房科学研究会」とを発展的に統合して、1996年から活動を始めた研究会です。前身となった2つの研究会は、女性の乳房とからだをそれぞれの視点からとらえ、女性の「こころ」と「からだ」をとりまく諸問題について研究活動を展開していました。医学的にみても、すべての領域が関わりをもっているといっても過言ではない乳房を中心に、医学的生物学的アプローチにとどまらず、女性の「こころ」と「からだ」をとりまく文化や社会の問題など、人文科学領域、社会科学領域まで、広く学際的に科学することを目的に、「乳房文化研究会」は設立されました。

閉経期、妊娠·出産期、思春期などの女性のターニングポイントに大きな変化をみせる乳房をはじめ、女性の「こころ」と「からだ」をとりまく興味ある研究テーマを、多角的にとりあげています。芸術、被服造形学、心理学、文化人類学、生物学、医学など、さまざまな分野で活躍する専門家が集まり、境界領域の問題や専門分野からの提案についての情報交換をおこない、さらに各方面からの話題提供を受けながら、より広くより深く活発な議論を展開しています。

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