「児童ポルノ」という言葉は、この犯罪のおぞましい性質を正確に表していない。成人ポルノと違い、子供は自発的に当事者となったのではなく、報酬も得ていない。事実、大半の児童ポルノの画像や映像には、凶暴、残忍な性暴力が描かれるが、子供の多くは12歳未満なのだ。つまりこれは児童レイプなのである。
家庭用コンピューター技術が普及した今日、驚くべき数の人々がオンラインで児童ポルノを取引し、ばらまくようになった。児童ポルノの二大消費国である日米両国は、蔓延(まんえん)防止のため共同で取り組まねばならない。
被害者の子供は、外傷や性感染症にさらされるだけでなく、鬱(うつ)や引きこもり、怒り、その他の精神障害も経験する。こうした症状は通常、成人後も続く。性的虐待を受けたことに加え、消えない記録が残ることで、画像に現れる子供の人生は永久に変えられてしまう。一度インターネットに掲載された画像は回収不可能で、広がり続ける。画像を見られるたび、子供は何度も被害に遭う。
児童ポルノを見ることと子供への性的虐待が大きく関係することも、我々は認識すべきだ。2007年の米政府調査によると、児童ポルノに絡み有罪となった被告の85%以上が、子供への性的虐待を認めている。
児童ポルノを入手する人は、オンラインで同好者と集うことで、自分が巨大な共同体の一員であると感じる。子供について性的な空想にふけることが「正常」だと感じれば、空想に基づく行動は抑えにくくなり、実際に子供を性的に虐待する傾向が強まる。
児童ポルノは、米国で深刻な問題となっている。しかし、米国では、児童ポルノの制作、配布、所有を禁ずる法律が施行されており、捜査員が加害者を捕らえるために不可欠な手段となっている。今日、世界における児童ポルノ絡みの訴追案件の圧倒的多数は、コンピューターのハード・ドライブやディスクに保存された画像に関係する。
児童ポルノ所有を非合法化しても、プライバシーや言論の自由は侵害されない。カナダやフランス、ドイツ、イタリア、米国、英国は、プライバシーと言論の自由に高い価値を置くが、権利を侵すことなく、児童ポルノ所有の非合法化は可能だと判断した。子供を犠牲にする行為を保護する必要はない。